久しぶりにJEPXのホームページを眺めていると、スポット市場価格の需給曲線が新たに公表され始めたことに気がついた。
面白そうだったので軽くデータを収集してみて、需給曲線を時系列横断的に眺めてみた。
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www.jepx.jp
2023年6月頭から2024年5月末までの48コマのシステムプライスの需給曲線から、ランダムに2000個選んでグラフにしてみた。
一般的には横軸に入札量、縦軸に価格を取ることが多いと思うが、今回は分析の都合上逆になっている。

画像を見た直感的な感想は以下の通り。
- 売りも買いもおおよそ同じ形で上下にずれるような形をしている。価格が0円から立ち上がる位置が違っていて、ベースとなるグラフの形はおおよそ同じ。
- 2-3円あたりに常に小さな段が見える。この価格帯の電源種がわからないが原発だろうか。
- 10円から25円あたりの形状には個性がある(特に売り)。細かく見ていないがコマや季節によって形状が違うのかもしれない。
ちなみに売り入札曲線をPCAに入れて第三主成分までの固有ベクトルを描画すると以下のようになる。

第一主成分に対応する固有ベクトルがベースの高さを表現する役割、第二主成分に対応する固有ベクトルはグラフの傾き加減を表現する役割、第三主成分に対応する固有ベクトルは火力発電の充実具合を表現する役割と、それぞれ違う役割を果たしているように見える。
寄与率は第一主成分だけで97%くらいを締めているが、固有ベクトルを見てみるとグラフの特徴を第二主成分、第三主成分がいい感じに表現できていそうだ。
需給曲線の情報を上手く活用できたら精度の高い価格予測モデルが作れる気がする。